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『海人』(あま、別表記海士)は、能楽作品のひとつ。旧来世阿弥作ともいわれてきたが、世阿弥自身がこの能の一部について「金春の節である(申楽談儀)」と書いているところから、世阿弥の時代にはすでにこの主題の能があったことが推測される。 讃岐国志度寺の縁起、藤原氏にまつわる伝説を素材に、ドラマチックに作り上げられた作品。藤原房前の出生譚や、藤原氏の女性が唐の后になったという伝説、海底に奪われた宝物をとりかえす海人の伝承、房前が志度寺に寄進したことなどを題材としている。 わが命を犠牲にしてまで子の栄達を願う母の行動を主筋に、法華経による女人成仏などの宗教性も加味した人気のある能のひとつである。 この曲のクライマックス部分「玉ノ段」は、写実性にとみ、独立した仕舞としてもよく上演される。特殊演出である小書も多い。 幸若舞『大職冠』とも共通性がみられ、結末に縁起物語にみられるような詞章があるなど、能と他の芸能の関連性を考えるうえでも、貴重な作である。またこの曲をモチーフとした他分野の作品(地歌『珠取海人』など)も少なくない。 == 作品構成 == 房前大臣(藤原房前)が、幼少のころに亡くした母は讃岐国志度津の人と聞かされ、菩提を弔うためその地をたずねると、その浦の海女が登場、自分が房前の母であり、龍宮に奪われた「面向不背の珠」をとりかえした経緯を物語る前段、その土地の住人が前段のストーリーを改めて語る間狂言部分、房前が妙法蓮華経で母の追善供養をしていると、龍女に姿をかえた母があらわれ供養を謝す後段からなる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「海人 (能)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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